WordPress専用エックスサーバーとも言われている「wpX Speed」。その性能や使い勝手はいかがなものか、実際に使ってレビューしました。
wpX Speedとは?
wpX Speedとは、WordPress用に最適化されたクラウド型レンタルサーバーです。次世代のNVMeを採用してキャッシュ無しで10倍以上の高速化を実現するなど、ハイスペックサーバーを1時間2円から利用できます。
読み込み可能なデータ量が大幅に増加したため、アクセスが急増してもサーバーエラーでページが表示されず、機会損失が発生することも少なくなります。
サーバー仕様・スペック
ディスク容量 | 200GB~1TB | 転送量 |
2.5TB~5.5TB/月
|
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メモリ | 2GB~56GB | マルチドメイン | 無制限 |
CPU | 2~12GB | Webサーバー | apache + nginx |
WordPress | 無制限 | RAID構成 | RAID10 |
MySQL | 無制限 | 独自SSL | 無料 |
MySQL容量(1個あたり) | 1GB~10GB | オートスケール | 対応 |
自動バックアップ | 無料 | WAF | 無料 |
料金プラン
主な料金プラン | ||||
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W1 | W2 | W3 | W4 | |
メモリ | 2GB | 4GB | 8GB | 12GB |
CPU | 2コア | 3コア | 4コア | 5コア |
SSD | 200GB | 300GB | 400GB | 500GB |
転送量 | 2.5TB/月 | 3.0TB/月 | 3.5TB/月 | 4.0TB/月 |
初期費用 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 |
時間料金 | 2円 | 4円 | 8円 | 16円 |
プランアップグレード・ダウングレードに対応
wpX Speedはプランのアップグレード・ダウングレードに対応しています。プラン変更はいつでも行えるため、アクセス急増で負荷に耐えられないときにプランをアップグレードすれば、より多くのアクセスをさばけるようになります。
プランのダウングレードはいつでもできるので、アクセスが落ち着いてきたらいつも使っていたプランに戻すという使い方が可能です。
プランごとの違い
使用可能メモリ
メモリが不足するとサーバーでの処理が失敗し、アクセスしてきたユーザーに真っ白なエラー画面を表示してしまうことになります。
wpX Speedはプランごとにメモリ容量が異なるため、プランアップグレードでメモリ不足問題を解決できます。
サーバー処理能力(CPU)
サーバー処理能力は大量のアクセスを高速で処理するのに必要不可欠です。サーバー処理能力が追いつかないとWebページの表示速度が劇的に遅くなるほか、最悪の場合全く表示されなくなってしまうことがあります。
wpX Speedならプランアップグレード機能を使うことで、よりハイスペックなサーバーに乗り換えることもなく簡単に性能をグレードアップできるので、無駄な移行コストがかかりません。
容量
wpX Speedは最大1TBまでプランアップグレードによりSSD容量が増加します。
デフォルトでも200GBありますので、不足したらアップグレードするという使い方が賢いでしょう。
MySQL1個あたりの容量
MySQL1個あたりのの容量制限も上位プランになればなるほど緩和され、最大でMySQL1個あたり10GBも割り当てられます。
といっても画像など容量のでかいデータはMySQLではない場所に保存されるので、1万記事以上WordPressで記事を書くことでもない限り、1GBすら超えることはありません。
月間転送量
上位プランになればなるほど月間転送量の上限も増加します。
といっても最安プランで2.5TBも用意されていますので、転送量問題でプランをアップグレードすることはほとんどないでしょう。
転送量2.5TBってどれくらい?
うちのサイトの中でも比較的画像の多いページで1.5MB程度ですので、だいたい月間1600万PVくらいなら大丈夫な転送量です。十分すぎますね。
サーバーパフォーマンス
WordPressの動作が超高速
wpX SpeedはWordPress用に最適化されただけのことはあり、非常に高速に動作します。
何よりキャッシュプラグインを入れなくてもWebページの高速表示を行えるので、WordPress初心者でプラグインでの最適化どころではないという方でも安心です。
重いプラグインを使っていたら話は別ですが、月間数万PV程度なら自身でWordPressをチューニングしなくても大丈夫でしょう。
WordPressインストールの手軽さ
wpX SpeedはWordPress簡単インストール機能が用意されています。
本来であれば「FTPクライアントを用意・WordPressをアップロード・インストールウィザード・データベースの設定」などなど、どう考えても初心者にはできないことを要求されます。
ですが、wpX Speedはサイト名などを少し入力するだけで全て自動インストールしてくれる機能が用意されており、1分程度でインストールして初期設定ができてしまいます。
WordPressログインで使うユーザー名やメールアドレスなど簡単な項目の入力だけでインストールできます。
高速化機能
wpX Speedは最新の高速化機能を複数採用しています。
LiteSpeed
LiteSpeedとは、Webサーバーで利用できるキャッシュ機能です。
WordPressはページを読み込みの際、毎回データベースを参照するため結構負荷がかかります。
ですが、一度生成されたWebページをキャッシュすることでデータベースの参照回数が減り、大幅なページ読み込み速度の高速化、アクセス負荷軽減に繋がります。
wpX Speedはデフォルトで有効化されているので、何もせずとも高速化されています。
NVMe ピュアSSD
アクセス数が増えるとその分サーバー側での読み込み処理が行われます。特に大きいのが画像などのリソースファイルです。
これらの読み込みを高速化できるのがNVMeを採用したピュアSSDです。
通常のSSDだと1秒間に300~500MB分のデータしか処理できませんが、NVMe仕様のSSDだと1秒間に6000MB近くのデータを読み込めます。
画像をたくさん利用するサイトでかなり嬉しい機能でしょう。
HTTP/2
HTTP/2とは、Webページのデータをサーバーから読み込む最新技術で、従来のHTTP通信技術の数十倍の速度でWebページを読み込めます。
このHTTP/2を使用するためにはSSLが必須なのですが、wpX SpeedではSSLを無料かつ自動で設定してくれます。
サーバーの安定性
wpX Speedは稼働率99.99%以上を維持しており、高い安定性を誇っています。
ほとんど稼働率100%を維持しており、定期的に行われるサーバー交換作業で多少稼働率が低下するくらいで、急なサーバートラブルが発生したことは今のところありません。
そのため、急にサーバーが落ちては困るビジネス利用においても安心して利用できます。
セキュリティ機能
wpX Speedは様々なセキュリティ機能が提供されています。
独自SSL(無料)
Webサイトのセキュリティを高めるために必要不可欠なSSL。wpX Speedでは無料で利用できます。
ダッシュボードアクセス制限
WordPress管理画面に不正アクセスされないように制限できます。この制限を利用すると海外からの攻撃を防ぐことが可能です。
ログイン試行回数制限
総当たり攻撃(ブルートフォースアタック)でログインしようとする攻撃を検知すると自動的にブロックしてくれます。
XML-RPC API アクセス制限設定
XML-RPCとはWordPressで利用できる機能です。この機能を利用する方にとっては便利なのですが、利用しない方が圧倒的に多いほか、何よりWordPressハッキングに悪用されることもあります。
wpX Speedでは使わないXML-RPCへのアクセスをブロックし、セキュリティをより高めることが可能です。
スパムコメント制限
大量のコメント・トラックバックを検知してブロックしてくれる機能です。WordPressは利用者が多い関係で無差別にスパムコメントを残すボットが巡回しており、それらから自分のサイトを守ってくれます。
WAF
WAF(ウェブアプリケーションファイアウォール)を利用することで、XSS(クロスサイトスクリプティング)やXSRF(クロスサイトリクエストフォージェリ)などによる攻撃から保護してくれます。
非常に多くのセキュリティ機能が用意されているほか、これらの設定はwpX Speedの管理画面からすべてワンクリックで変更できます。
バックアップ機能
wpX Speedはバックアップ機能が無料で提供されています。バックアップの復元も無料であるため、
- サイトが乗っ取られて復元できなくなった
- 操作を間違えて記事を削除してしまった
といったときでも安心です。
バックアップは直近7日分作成されます。
ほかのレンタルサーバーとの違い
WordPressに特化している
wpX SpeedはWordPressに特化しているため、非常に高速です。
EC CubeなどほかのCMSこそ利用できませんが、WordPressでサイトを制作・運営する方だと関係ない話ですので、低価格かつ高速でWordPressが動作するレンタルサーバーを利用できるのは大変嬉しい限りです。
プランのオートスケール機能
レンタルサーバーはプランアップグレードに対応していたとしても、手動で行う必要があります。
そのため、夜間中など寝てて気づかない間にアクセスが急増すると気づけず大きな機会損失を生んでしまうことがあります。
ですが、wpX Speedは負荷が一定以上かかったことを検知したら自動でプランをアップグレードしてサーバースペック強化してくれる設定が可能であるため、急なアクセス急増にも柔軟に対応できます。
後で元のプランにダウングレードすることもできるので、アクセスが落ち着いたらまたいつも通りのプランに戻すといいでしょう
MySQL容量が極めて大きい
殆どのレンタルサーバーは、MySQL容量が500MB~1GB程度です。
ですが、wpX Speedは最大10GBまでMySQL1個で使用でき、大量の記事情報を保存できます。
これからずっと同じサイトに記事を書いていくからMySQLの容量がいっぱいになったらどうしようと思う方はwpX Speedが向いています。
口コミ・評判
wpX Speedユーザーの評判をTwitterで探してみました。
私も使ってみて感じていたのですが、やはりエックスサーバーより安定して早いようです。
過去にトラブルを起こしたことがある?
wpX Speedは過去にトラブルを起こしたことはありません。
レンタルサーバーによっては、サーバーが壊れて利用者のサーバーデータを消失したなど、取り返しのつかないトラブルを起こしたこともありますが、wpX Speedはそういった大きなトラブルどころか小さなトラブルを起こしていません。
バックアップ体制も強力ですので、いざというときでも安心です。
サポート体制
wpX Speedは電話サポートとメールサポートを用意しています。
電話は平日10:00~18:00限定ですが、メールサポートは24時間365日受け付けているので、困った時にいつでも相談できます。
オンラインマニュアルも充実しているため、サポートを受けずマニュアルは見るだけで解決できるのが多いのも特徴でしょう。
よくある質問 Q&A
mod_rewriteは使える?
mod_rewriteに対応しています。
mod_rewriteとはSSLリダイレクトなどで使われる機能で、ウェブサイトのSSL対応などで必要不可欠な機能です。
Cronを使える?
Cronは使えませんが、WordPressの疑似CronであるWP Cronは使用できます。
SSH接続できる?
wpX SpeedはSSH接続に対応していないようです。FTP接続はできるので、ファイルのアップロードなどはFTP接続経由で行いましょう。
オートスケールで自動アップグレードされても元のプランに戻せる?
wpX Speedはプランのアップグレード・ダウングレード両方に対応しているので、オートスケール機能で自動アップグレードした場合でもダウングレード可能です。
ダウングレードする際は、オートスケールする原因となった大量のアクセスが落ち着いてからするようにしましょう。
お得にwpX Speedを契約する方法
wpX Speedを利用する場合、最初は一番安いW1プランを契約しましょう。
いざ大量のアクセスが来ても大丈夫なように初めから上位プランを申し込む方法もありますが、wpX Speedのスペックは結構高いので、オーバースペックになってしまう可能性があります。
嬉しいことにプランの自動アップグレード機能を使えるので、その機能を使えば、
ということを簡単に調べられます。
この方法を使えば無駄に高い料金プランを契約することもなくなりますので、おすすめです。
特に個人の方はいきなり数十万~数百万PVのサイトを作ることはできないはずなので、初めは一番安いW1プランで様子見するのがいいでしょう。