日商簿記とITパスポートはどちらが難しい?

受験者が多い資格である日商簿記とITパスポート。

両方も取得できるなら取得するに越したことはないですが、そんな余裕がある方はあまりいないでしょう。

ほとんどの方は、まずどちらの資格を取得するか考えているはずです。そこで気になるのが難易度。いくら試験を受けても合格できなければ意味がありません。

このページでは、日商簿記とITパスポート試験の違いや試験難易度などを解説していきます。

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日商簿記とITパスポートの試験の違い

日商簿記とITパスポートの試験は色々異なる点があります。

試験範囲が全く違うということは当然ですが、試験範囲のこと以外で目立つ違いがあるのでいくつか見ていきましょう。

【日商簿記】記述問題が多い

日商簿記はほとんどが記述問題です。

記述する単語が列挙されていることはありますが、実際の解答は記述が必要なものが多く、ITパスポートと比べると難易度が高くなっています。

ITパスポート試験では、

1+1の答えは?

  • 1
  • 2
  • 3
  • 4

のように、計算問題も含めて全問選択式になっているため、日商簿記と比べると解答しやすいようになっています。

ほとんどの問題が4択なので、全くわからない問題があっても25%の確率で正解になることも、日商簿記では考えられないITパスポートの特徴でしょう。

【ITパスポート】用語を暗記すれば答えられるものが多い

ITパスポートも多少計算が必要な問題が出題されますが、ほとんどは用語問題です。

用語問題もすべて選択式であるため、なんとなくで覚えていたら正解にたどり着けることが多いですし、全く分からなくても適当に選んだ選択が正解になることがあります。

そういったこともあって、日商簿記と比べると実力以上の点数を出せる可能性が高く、合格しやすい試験となっています。

【ITパスポート】長文問題がほとんどない

ITパスポート試験は一つ一つの問題が非常に短く、文字数で言うと20~40文字程度の一文だけの問題も多いです。

光の三原色の説明として,適切なものはどれか
  1. 色相(Hue),彩度(Saturation),明度(Brightness) の三つのことである。
  2. レッド(Red),グリーン(Green),イエロー(Yellow)の3色のことである。
  3. レッド(Red),グリーン(Green),ブルー(Blue)の3色のことである。
  4. シアン(Cyan),マゼンタ(Magenta),イエロー(Yellow) の3色のことである。

このような短い問題が全体の8割を占めているため、解答にほとんど時間がかかりません。選択問題なので問題によっては10秒程度で解き終わることもあります。

解答に時間がかからない割には試験時間が長く、大半の人は試験時間を余らせて見直しの時間を確保できます

【ITパスポート】過去問がほとんどそのまま出題されることがある

ITパスポート試験はCBT形式で一年中高頻度で実施されているため問題被りが起きやすいです。

問題をよく見てみると、解答の選択肢が少し変わっただけで答えが同じな問題や、数値だけが異なる計算問題が出題されることが多々あります。

本当の意味で過去問を何度も何度も反復練習するだけでITパスポートに合格することも十分可能な試験となっています。

そのため、他の試験と比べると過去問題集の重要性がかなり高くなっています。

合格率はITパスポートのほうが高い

合格率だけを比べるとITパスポート試験の方が圧倒的に高いです。

参考程度に2020年度の合格率をそれぞれ見てみましょう

試験種別合格率
日商簿記1級13.5%
日商簿記2級18.2%
日商簿記3級47.4%
ITパスポート58.8%
2020年度の合格率 – 受験者データ

試験内容や傾向が全く異なるので完全な比較はできませんが、合格率だけで見ると日商簿記3級よりもITパスポートの方が合格率が高くなっています。2級以上とは比べるまでもありません。

ITパスポート試験は日商簿記と比べて暗記だけでなんとかなることが多いのと、読解力が必要な長文形式の出題がほとんどないことも大きいでしょう。

合格ラインも日商簿記は70%以上に対し、ITパスポートは60%以上で合格と易しめになっています

そのため総合的な難易度を評価するとITパスポートのほうが合格しやすい試験となっています。

日商簿記2級と比較するなら圧倒的にITパスポートが楽

いくらジャンルが異なる試験といっても、合格率が雲泥の差です。

日商簿記2級とITパスポートのどちらが簡単かと言われるとITパスポートと即答できるレベルです。

ITパスポートしか受けていない、日商簿記しか受けていない方だと想像することが難しいですが、それくらい大きな差があります。

取得した資格数を増やすことを優先するのであれば日商簿記2級より先にITパスポートを取りましょう。

試験合格重視ならITパスポートがおすすめ

ITパスポート試験は広く浅く出題されるため試験範囲は広いですが、計算が不要な問題がほとんどであるため、覚えるだけで答えられる問題がほとんどです。

解答もすべて選択形式であるため、完璧に覚えていなくても断片的に覚えていたら正解できる・勘で選んだ選択が正解になることがあるので、実力以上の点数を出しやすい

日商簿記は問題一つ一つが非常に長く数枚にまたがることが多いほか、それらを試験時間内に理解した上で正しい選択しを選んでいかなければならないため、ITパスポートよりも全体的な難易度は高いです。

ですので、何か新しい資格が欲しいと言うのであれば、まずはITパスポート試験の合格を目指すといいでしょう。

ITパスポート試験はIT系国家資格の入門的立ち位置なので、役に立たない資格と切り捨てた考えを持つ方もいますが、ITパスポートに合格することによってITに関する基礎知識を幅広く身につけられるため、それらの知識を今後応用できる可能性が高いです。

ITパスポート単体では役に立たないかもしれませんが、ITパスポート試験の勉強で得た知識は将来確実に役立つため、取得する価値は十分にあります。

ITパスポートは年中受験できる試験でもあるので、積極的に挑戦してみてください。

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