ネット上のサイトを見ていると一つの記事を複数ページに分割しているサイトを見かけることがあります。メジャーなサイトでいうとマイナビやダイヤモンドオンラインなどです。
このように1記事を複数ページに分けることで、1ユーザーあたりのページビューを増やすことができるので、サイトアクセス数アップ、直帰率の低下、サイト評価アップにつながるのではないかと考えた方もいるでしょう。
やっていることはページビュー数の水増しにしか見えないページ分割ですが、今回はこの1記事を複数ページに分割するメリットやデメリットについて解説します。
ブログ記事を複数ページに分割するメリット
ページビューが増える
ほとんどのユーザーは1記事読んだら離脱するため、一般的なブログであれば1ユーザーにつき1ページビューというのが一般的です。
ですが1記事を3ページに分割した場合だと記事の最後まで読むまでに2回ページ遷移が必要なので、訪問ページ+2ページで合計3ページビュー稼ぐことができます。
必然的に1ユーザーあたりのページビュー数が増えることになり、記事を分割しない場合と比べて数十万~数百万PVを実現するのがカンタンです。
直帰率
直帰率とは内部リンク・外部リンクのクリックなどのアクションを一切残さずに離脱したユーザーの割合です。
基本的には直帰率が良いほどサイトの品質が高いとされています。1記事を分割した場合、記事の最後まで読むために必ずページネーションリンクをクリックすることになるため、直帰率が大幅に下がります。
そのため単純な考え方をすると直帰率低下によるSEO的な恩恵を受けることができます。
ブログ記事を複数ページに分割するデメリット
検索順位が低下する
ブログ記事を分割すると SEO 的な評価が下がって検索順位が低下する可能性があります。
数年前までは記事を複数ページに分割しても1記事として認識されていましたが、現在はGoogle検索アルゴリズムが変更されて1ページ1コンテンツという認識となりました。
記事分割用に用意されたlink属性はもうつかえません。
linkタグに入れられるrel=”prev” と rel=”next”は、複数ページに分割しても繋がった1記事であることを表すための属性がありましたが、最新のGoogle検索アルゴリズムはこれらの属性を無視します。
たとえば1記事を3ページに分割した場合、3ページそれぞれ独立したコンテンツと認識されるようになっています。
分割されたページがそれぞれ独立されたページとして認識されるということは、ページの分割によって内容が薄くなったそれぞれのページが個別に評価されるようになり、SEO評価が低下します。
ページ分割によって1ユーザーごとのページビュー数は増えるものの、肝心のユーザー数が大幅減となると元も子もありません。
結構明確に検索順位の低下が起きるので、SEO流入に依存しているブログだと記事を分割するリスクはかなり大きいです。
記事の本文が最後まで読まれない可能性がある
ブログを読むユーザーは手間がかかることを何より嫌います。ページをスクロールして読み進めていたら本文が途中で切れて、次のページに進むリンクをクリックしなければならないというのは、ブログ運営者が思っている以上に面倒と感じます。
それだけならまだいいのですが、次のページに進むアクションを必要とする状態を作ることで「ページを離脱するキッカケ」を作ってしまうということです。
面白いと思って記事を読んでくれている人であれば次のページも読んでくれるのですが、そうでない方だと次のページに進んでもらえずサイトを離脱される可能性があります。
せっかく最後まで読んで欲しい記事を書いたのにページを分割したことによって最後まで読まれないとなっては大きな機会損失です。
途中まで読んでみて面白くなければ次のページを開かずに離脱されてしまうので損しかありません。
また、次のページを読んでくれたとしてもページ分割回数が多いとユーザーがストレスを感じて途中で読むのをやめてしまうこともあります。
ページビューが増えてもユーザー数は増えない
どういう意味かというと、収益性は特に変わらないということです。グーグルアドセンスやアフィリエイト広告などを設置している場合、ページビューが増えたからといって訪問ユーザー数(見込み顧客数)が増えるわけではないので、「ページビューが増える=収益が増える」とは限りません。
ここを勘違いしてしまうと、どれだけページビューが増えても収益が増えなくてスランプに陥ってしまう可能性があります。
ページビュー数も大切ですがページビュー以上に大切なのがユーザー数なので勘違いしないようにしましょう。
「続きは有料で…」のようなサイトならページ分割は有効
ダイヤモンドオンラインなどの最後まで読みたければ有料会員になる必要がある記事を公開している場合は記事の分割は有効です。
こういう場合だと複数ページにわけないと有料会員にならずに記事全文を読まれてしまいますが、分割して制限してしまえばそのような心配はありません。
有料会員限定コンテンツはGoogle検索でも見つからないコンテンツとなるので、SEO上やや不利になりますが、このような特殊な運用方法を採用する場合はページ分割してもいいでしょう。
1記事を分割するメリットは少ない
SEO上1記事を複数ページに分割するメリットがたくさんあるのであれば、ほとんどのサイトが複数ページに分割していることでしょう。
ページを分割しているサイトがほとんどないということは、SEO上メリットが殆どないということがわかります。
実際にあったとしても検索上位に来ているサイトはほとんどありません。
当然ながら当サイトもページ分割は実施していません。
ページを分割してしまうと記事の最後まで読まれずに離脱されてしまう可能性がありますし、なにより何回もページ送りをしないといけないという手間がかかるためユーザビリティも大幅に低下します。
ページビューを増やすことこそできても、価値のあるページビューが増えるわけではないため「ページを分割する→収益が上がる」というわけではありません。
なによりページ分割することで1ページあたりの情報量が少なくなり、検索順位が低下するデメリットが大きすぎるので、よっぽどの理由が無い限り1記事を複数ページに分割するメリットはないでしょう。
どうしても分割したいのであれば1ページあたり2000文字以上を目安に分割し、1ページあたりの情報量が少なくなりすぎないように注意してください。
ブログは1記事1ページが基本
有料記事などの例外を除けばブログは1記事1ページが基本です。
1記事1ページだと最後まで読まれる可能性が高いですし、現にこの記事を最後まで読んでくれていると思います。
1記事1ページにするとサイトを記事の途中で離脱するきっかけ・タイミングが少なくなるので、特別な事情がない限りは1記事1ページのルールに則って記事を書くようにしましょう。