最近はテレワークやリモートワークが急激に増加し、今まで在宅ワークの縁がなかった人も自宅で仕事する機会が増えてきました。
そこで気になる問題があります。それがセキュリティ対策。
セキュリティ対策をちゃんと行なっていますか?
セキュリティ対策を怠ると、パソコン上のデータが盗まれたり会社のパソコンなどに自分おパソコンを踏み台にして次々に感染させてしまいます。
そうなってしまうと自分ひとりの問題ではなくなり、最悪のケースだとクビ・損害賠償請求に発展してしまうでしょう。
今回は、テレワークでパソコンを使う上でセキュリティに気をつけなければならない理由と、やっておくべきセキュリティ対策を解説していきます。
私物のパソコンを使う際に気をつけなければならない理由
テレワークで私物のパソコンを使うことがセキュリティトラブルに繋がってしまう可能性があるというのは、もちろん理由があります。
理由をいまいち理解していないと、何でセキュリティ対策をしないといけないんだろうと疑問に思う方もいますよね。
そこでまずは、セキュリティ意識を高めて気をつけなければならない理由を見ていきましょう。
メール送信先ミスによる情報流出の可能性
会社のパソコンであれば、送信先に指定できる(登録されている)メールアドレスは会社関係のものしかありません。
ですが私物のパソコンだと、仕事とは関係ない相手とメールのやり取りをすることもあるでしょう。
メールアドレスを入力し間違いなければ大丈夫だろうと思うかもしれませんが、最新のメールソフトはオートコンプリート機能という「メールアドレスを全て入力しなくても、過去に受送信したメールアドレス情報を利用して入力補間してくれる機能」があります。
この機能はとても便利ではありますが、入力補間されたメールアドレスが仕事とは全く関係ないメールアドレスに気づかないままメールを送信してしまった場合、会社の業務情報が流出します。
一度メールを送信したら最後、取り消すことはできないため、うっかりミスで済まされる問題ではありません。最悪の場合は懲戒解雇になるかもしれません。
ハッキングされる可能性
会社で使う仕事用のパソコンは、プロキシサーバーにより制限された会社のネットワーク環境下で使用するため、安易に怪しいサイトにアクセスできないようになっています。
在宅で仕事をする場合でもセキュリティを高めるために専用のプロキシサーバー設定がされたパソコンが渡されるでしょう。
ですが、私物のパソコンを在宅で使うとなるとそのようなプロキシサーバー設定をしている方はいないでしょう。
その状態のパソコンは良くも悪くもあらゆるサイトにアクセスできるので、運悪く悪質サイトにアクセスしてしまってマルウェアなどに感染してハッキングされてしまうと、大変です。
自分のパソコンが使い物にならなくなっただけならまだ良いのですが、トロイの木馬やワームなどのウイルスはメールなどを利用して次々にほかのパソコンにウイルスを感染させていきます。
私物パソコンを仕事で使っていた場合、感染対象に会社のPCなどが含まれてしまうので、非常に危険です。
ですので、会社が認めない限りは私物のパソコンを仕事で使うべきではありません。
私物パソコンで仕事をする上で行うべきセキュリティ対策
セキュリティソフトを導入する
一番大切なのはセキュリティソフトを導入することです。
セキュリティソフトを導入するだけでパソコンのセキュリティを大幅に高めることができ、以下の被害を防止できます。
- フィッシング詐欺
- 詐欺サイトの利用
- トロイの木馬・マルウェアなどのウイルス感染
- キーロガーによるパスワードやクレジットカード情報の流出
- ソフトウェアの脆弱性を利用したパソコンの乗っ取り
いずれもパソコンで仕事をする上でとても大切です。
セキュリティソフトを別途利用しなくてもWindows標準のセキュリティ機能で保護されますが、仕事で使うとなると信頼性に不安な点があります。
ですので、ノートンやマカフィーなどの信頼できるセキュリティソフトを使うようにしましょう。
セキュリティワイヤーを使う
セキュリティワイヤーとは、このようなパソコンをテーブルなどに固定できる盗難防止アイテムです。
どれだけセキュリティを強化していたとしても、パソコンを盗まれてしまっては意味がありません。
パソコンを盗まれてもログインするためのパスワードが分からないからデータは何時までないだろうと思うかもしれませんが、簡単に盗めます。
というのも、パソコンを分解することでデータが入っているHDD・SSDを取り出すことができ、そのHDD・SSDを別のPCに接続してしまえばあらゆるデータにアクセス可能です。
喫茶店やカフェなど外出時にパソコンを開く場合、盗難被害に遭う可能性があるので、外出時にパソコンを使う方はセキュリティワイヤーを一つは用意しておきましょう。
USBメモリー用のセキュリティワイヤーもある
セキュリティワイヤーというとパソコン向けが多いですが、実はUSBメモリーで使えるセキュリティワイヤーも存在します。
USBメモリーは小さくてなくしやすいため、セキュリティワイヤーを使って管理すれば紛失したり盗難にあうことも少なくなるでしょう。
VPNを使う
VPNとは、簡単に言うとインターネット通信を盗聴されないために使うネットワークです。
自宅のWi-Fiや会社で管理されているWi-Fiを使う場合は大丈夫ですが、飲食店などで使えるフリーWi-Fiは通信が暗号化されていないためデータを盗まれる可能性があります。
その時に役立つのがVPNで、VPNを使えばフリーWi-Fiでも安全にインターネットを利用できます。
無料VPNは避けるように
VPNはインターネットセキュリティを高めるためにとても便利ではありますが、無料のVPNは止めておきましょう。
無料VPNは性能が低くて使いづらいというのが理由の一つですが、何より重要なのが
VPN提供者がデータを盗んでいる可能性がある
という点です。
無料VPNを提供している業者は、インターネット利用状況などのデータを収集し、そのデータ売買していることがあります。
データ売買によって収益を上げることで無料でVPNを提供できているという仕組みです。
セキュリティを高めるためにVPNを使った結果、データを盗まれたところか売買に利用されていたとなっては話になりません。
ですので、VPNは必ず有料のものを利用しましょう。
パソコンのロック解除に指紋認証を使う
パソコンを起動してサインイン・ログインする時、パスワード・PINコードを入力することが一般的です。
これを指紋認証に切り替えるとさらにセキュリティを高められます。
指紋認証の場合はキーボード入力する必要がないため、パスワードを入力しているところを見られることはなく、安心です。
Windows10なら標準搭載されているWindows HelloとUSB指紋認証リーダーで指紋認証でロック解除できるようになります。
OSはアップデートしておく
Windows・MacなどのOSのアップデートがリリースされたら長期間放置せずできるだけアップデートしておくようにしましょう。
アップデートの中にはセキュリティ上の欠陥(脆弱性)を修正するものが含まれていることも多いため、最新にしちゃうことよりセキュリティを高められます。
仕事で私物パソコンを使うならセキュリティ意識を持つように
仕事では一切使わないパソコンなら、セキュリティ対策に関してやるかどうかは自由ですが、仕事で使う場合、自分のセキュリティ対策不足で会社に損害を出すと大変なことになってしまいます。
ですので、仕事で使うパソコンのセキュリティ対策は絶対に怠らないようにしてください。
セキュリティソフトを導入していない方はせめてセキュリティソフトだけは入れておいてくださいね。